2017年6月9日金曜日

Break 5

登場人物紹介 4

ローガン・ハイネ・ドーマー

遺伝子管理局長。
白髪で容姿も美しい中年の男性(40代後半)の姿をしているが実際は100歳を越えている。事実上アメリカ・ドームの住人の中の最高齢者。ドーマー達の神的最長老。
彼より年上の者がいないので、彼の過去を知る者は殆ど居ない。
当人がサタジット・ラムジー博士(ラムゼイ博士)の「死体クローン事件」の捜査をしたと言っているので、ドーム内の警察機構である遺伝子管理局内部捜査班に所属していたと思われる。内部捜査班はドーマー同士の揉め事(男性社会なので喧嘩の仲裁には武術が必要)、出産管理区での女性同士の争いなどの仲裁や、執政官の違法研究の摘発などを行う部署で、忍耐や遺伝子工学の知識が求められる。
遺伝子管理局長に就任したのはダリルとポールが入局する5年ほど前だったが、その後ドーム長官に就任したサンテシマ・ルイス・リンの策略で、病人として医療区の隔離室に3年間幽閉される。その間、ダリル達若者をリンとその側近の横暴から救えなかったことを、現在でも内心悔やんでいる。
その後、当時まだ平の執政官だったニコラス・ケンウッドの告発を受理した地球人類復活委員会によってリンは更迭され、ハイネは解放された。故に、現在でもハイネはケンウッドに恩義を感じており、2人は大の親友である。
進化型1級遺伝子保有者で、生まれてから1度もドームの外に出たことがない。遺伝子管理局の局員としての実務経験がないので、部下には仕事のやり方を命じることはしないで、任務の最終目標を提示するのみである。しかし部下が失敗するとそれを補修する方法を示してやり、再起のチャンスを与える。また執政官に失敗した部下の執り成しをするのも仕事である。
彼の進化型1級遺伝子は、長い宇宙の旅に出る宇宙飛行士を待つ家族の為に開発されたもので、地球人には無用のものである。故に彼の子孫は1人も創られていない。
外見は永遠の若さを保っているかの様に見えるが、実際は少しずつ確実に歳を取っており、当人が一番それを実感している。
ドーム内のことを知り尽くしており、秘密の昼寝場所を持っている。
半熟とろとろチーズスフレが大好物で、手に入らないと幼子の様に我が儘になる。


リュック・ニュカネン・元ドーマー

遺伝子管理局セント・アイブス・メディカル・カレッジ・タウン出張所長。
遺伝子管理局北米南部班所属の局員だった元ドーマー。
ダリルとポールと同じ「トニー小父さんの部屋」で育った義兄弟だが、2人とは性格が合わず喧嘩ばかりしていた。気の好いクラウスは可愛がっていたらしい。
規則を厳格に守る堅物だったが、任務遂行中に知り合った一般人女性と恋に落ち、仲間を驚かせた。結婚の意志が固かったので、ドームは彼を外へ出して、出張所の管理をさせることになった。
彼の職務は、セント・アイブス・メディカル・カレッジで行われる遺伝子工学実験などの監視で、時には不意打ちで研究室に立ち入り臨検も行う。違反を見つけるとすぐにドームに通報して、実験中止を命じる権限を持つ。故に研究者達からは恐れられている。
家族は妻と2人の子供。出張所の他の職員は全員一般から採用された人々。
出張所があるビルはドーム所有で、ニュカネンの自宅は別の場所にある。
いつもダリルやポールに小言を言っているが、仲間の健康を気遣うなど、本当は優しい性格。


トーマス・クーパー・元ドーマー

遺伝子管理局ローズタウン支局長。
髭面の、少し気が弱い男。
支局長は外に出た元ドーマー達が就ける最高ランクの地位であるが、幹部経験がない者が任命される。(但し、幹部経験者が外に出された先例は未だない。)
支局は一般人の婚姻許可申請・養子縁組申請・妻帯許可申請・成人登録申請などを受理、遺伝子管理局本部に申請書を送って許可証を発行してもらうところである。
出張所と同じく職員は一般人だが業務内容は異なる。
支局巡りをして申請者と面談したりメーカーの捜査をする本部局員のサポートをするのも仕事である。
また、ドームに出産の為に収容される女性達が乗る飛行機の手配をして、支局の横に必ず建設されている空港の管理も任されている。
つまり、これだけのことをやってのけなければならないので、クーパーは決して無能ではない。しかし、FOKのスパイの潜入を許してしまい、大いに焦ってしまう。
ドームに召還されて不安がっていたが、ハイネ局長の心配りで元気を取り戻した。